MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

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一学48【少女学年ツボネエ】過去の奴隷にならなきゃ、ソクラテスだってマブダチさ。わたしは、不幸は選ばない。

教学編 第3集 R2.12.27 (日) 7:00 配信

 一つ、学ぶ。

 そうです。過去に何の原因も学びもないんなら、先輩だって先生だって誰だって、みんなマブダチです。その先輩のどなたかが書かれてましたけど、さもあたしたち幼い未熟な{美童|ミワラ}が後裔記や然修録の品格・風格を{貶|おとし}めているかのようなことを……まァ、随分失礼な先輩さんだことって、思うわけでございます。
 それでも、それを頭がいいヨッコねーさんやマザメちゃんに言うのなら、まだわかります。でも、あたしみたいなおバカに言って、何の意味があるのでしょうか。但し、おバカは認めますけど、記憶力は、スピアの兄貴にだって、負けない。負けたくないんじゃない。負けないって、自分で決めたんです。だからと言って、勝つためでも、勝ちたいわけでもありません。勝てば争いがはじまり、{挙句|あげく}はまた、戦争が起こってしまいますから。
 そんなわけで、スピアの兄貴のところに、遊びに行きました。
 (アニキって、たしか……一人暮らしじゃなかったっけーぇ?)と、思うあたし。
 だとすると、生まれて七年間の幼循令を無事に{操|みさお}を護り抜いた女一匹のあたしといたしましては、少々無謀で、{甚|はなは}だはしたない、この清い身に危険を感じずにはいられない行為になってしまいます。
 なんてッ! お尻でも触られたら、金のタマタマをペッタンコに潰してやるわさッ!
 で、スピアの兄貴んちに行ったんだけどさ。一つか二つ、サラッと質問して、たいして期待もしてないその答えを得たら、サッサとスタコラせっせと帰ろうって思ってたんだけど、少々長居! で、わたしが言いました。
 「みんなさァ。どんな境遇も自分の目的のために自分が作ったもんだだとかさァ、どんな心の{病|やまい}も過去とか何かのせいじゃなくて自分でそう決めただけのことなんだだとか言うけどさァ。それって、人間には感情なんて存在しないって言ってんのと{同|おんな}じなんじゃない? 心は、ただの道具なんかね。それってさァ、人格否定じゃん!
 喜怒哀楽がなければ学べないって、マブ先輩の誰かが書いてたよね? その喜怒哀楽が、目的のために仕組まれた情緒っていう道具だって言いたいわけなんでしょ? だったら、学問ってさ。誰かが仕組んだ何かの目的のための手段の総仕上げってことでしょ? それじゃあ、悪意に満ちた学習ってことじゃん!
 あたしら人間ってさ。感情が揺さぶられて情緒が揺れ動くから、人間味が出るんじゃyん。違う?」  アニキ、パックリと口を開けて、あたしを見てる。そして、応えたんだか何気になんだか、とにかく言った。
 「誰も、感情の否定なんてしたつもりはないと思う。揺れない感情を持った人間がいたとしたら、それはロボットのニヒリーさ。虚無を見出し、すべてを否定する全自動のニヒリズム人工頭脳を持ったロボットさ。でも、だからといって、感情や情緒が過去に支配されたり、行動がその汚染された感情に支配されていいっていう理由にはならないさ。
 過去とか感情っていうのはさ。風呂の湯みたいなもんさ」
 (風呂? 準備万端? あたしを脱がせる魂胆^?!^)と、思うあたしが言った。
 「お風呂? お湯?」
 「そうさ。風呂の湯は、仕組まれてそこにあるんじゃない。何か目的をもってそこにあるんでもない。風呂の湯は、風呂の湯さ。それを熱いと感じるか{温|ぬる}い{或|ある}いは冷たいと感じるかは、自分がどんな体調でお風呂にドブンするかで決まる。温いお湯だって、極寒の吹雪で冷え切った{身体|からだ}でドブンしたら、熱いくらいに感じるじゃん。最初だけだけどね。
 問題は、相手が何かだとか、どんなかだとかじゃなくって、それを自分がどう{捉|とら}えるかだと思うんだ」と、アニキ。
 「とらえるってぇ?」と、あたし。恥ずかしながら……。
 「どう解釈するかってことだよ」と、スピアの兄貴。
 「だったら! だからだよ。過去も、そこにあるだけ。{触|さわ}ろうとしたって、{触|ふ}れることすらできない。何も、変えられない。だからこそ、苦しいんじゃない! 悩むんじゃない!」と、あたし。だって、本当にそう思ったから。
 するとまた、アニキが言った。
 「苦しくったってーぇ♪ 悲しくったってーぇ♪ いいじゃん、それで。でもさ。未来までそうされてしまったら、お先真っ暗じゃん。そんな人生って、生きる価値があるの? 過去にぜんぶ決められてしまうような未来って、楽しい? 楽しいどころか、絶望して生きる気力さえなくなっちゃわない? ほらッ! そうだよ。まさに、ロボットのニヒリーじゃん」
 (そうは言ったってさッ!)と、思うあたし。
 「変えられないから絶望する。そうは言っても、そんなに簡単に変えられるもんじゃない。{未|ま}だ来てないんだから、変える……変わる可能性があることは、確かなんだけど」と、アニキ。
 「じゃあさ。その可能性を変えればいいんじゃん!」と、あたし。
 「可能性を変えるぅ? どうやってぇ^?!^」と、アニキ。
 (あたしが訊いてるんだけど……)と、思うあたし。
 {暫|しば}し、沈黙。そして、スピアの兄貴が、口火を切った。
 「敵に勝つには、先ずは敵を知ること。これだね!」
 (どれよォ!)と、思うあたし。そして、続けてアニキ。
 「ツボネンはさァ。訊いてばっかじゃん。せっかちなんだよね、たぶん。でもさ。本当に自分のためになる答えってのは、誰かが教えてくれるものじゃなくて、自分で引っ張り出す……じゃないなッ! そうそう、導き出すもんじゃん? だから、価値があるんだよ」
 「じゃあ、本読みは、価値がないのォ?」と、あたし。やや不満げ。
 「そうじゃないよ。たぶん。なんでかっていうとさァ……」
 ここでまた、沈黙再開……元い、再閉? 待つ。考える。でもやっぱり、待つ。そしてスピアの兄貴が、やっと{喋|しゃべ}りはじめてくれた。安堵。
 「自ら導き出した人の語録なら、それを読んで、読んだだけじゃなくて自分も実践実行するんなら、そこで本読みも、何かの価値に変わるんだよ。
 ソクラテスやアドラーの本を書いた弟子や聴衆の人たちだってそうじゃん。感動したり感激したりして感情が揺さぶられたからこそ、道路端やカフェで聴いた実体験の話を自分も実践してみようって思ったから、聴き取り書き写しっていう行動に走ったんじゃん。だから、それを読んで感動したり感激したりしたら、情緒に任せて走ればいいんだよ。
 『ケンカ必勝法!』なんて本は、ちょっと例外にしといたほうがいいかもだけどさッ!」
 「じゃあ、語録の本は読むんじゃyなくって、対話しろってことォ?」と、素直な感想を述べるあたし。
 「本と対話? そっかァ! そうだね。やっぱツボネン、頭いいね」と、アニキ。
 (まったくぅ、心にもないことを……)と、思うには思ったけど、初めてそんなふうに言われたから、操が動揺しちゃったじゃないのよォ! くわばらくわばら……。
 でも、一つ思った。
 寺学舎。
 座学って言いながら、なんでいつも{騒々|そうぞう}しいのか。
 対話だねッ!

皇紀2680年12月27日(日) 活きた朝 1:09
少女ツボネエ 少循令飛龍

令和2年12月27日(日)号
一学48【少女学年ツボネエ】過去の奴隷にならなきゃ、ソクラテスだってマブダチさ。わたしは、不幸は選ばない。

東亜学纂学級文庫
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M I W A R A BIOGRAPHY
- Akio Nandai "VIRTUE KIDS" Vol.1 to 12 -
V.K. is a biographical novel series written in Japanese with a traditional style.
Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.
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