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一学45【オオカミの然修録】忠義の自立心は主君をも正し、個人主義は唯義務に専心、武士道は生に徹す『離島疎開』選集

然修録『離島疎開』選集
令和2年12月6日(日)配信

 学徒の然修録。オオカミ、齢13
 忠義の自立心は主君をも正し、個人主義は{唯|ただ}義務に専心、武士道は生に徹す

 一つ、学ぶ。

 戦争で自ら死を選ぶ。{或|ある}いは、戦死という必定の運命を受け容れる。祖国のため、愛する家族を護るため。護るために離別を決意し、自ら命を絶つを覚悟する。このような戦士の精神性は、古今東西どこを探してみても、類似するものが見当たらない。西洋の個人主義は言わずもがな、我が国の忠義や武士道においても、類似する精神性を見出すことができない。何故なら……。

 一、西洋の個人主義
 西洋の大学では依然、日本学が盛んだ。日本力衰退の研究と{揶揄|やゆ}したくなるが、それは置く。
 恩師や、日頃何かと世話を焼いてくれる先輩や知人から、ちょっとした頼み事を持ちかけられる。当然、日頃の感謝と好意から、二つ返事で快諾する。「はいはい、いいですよーォ♪」ってやつ、よくある光景だ。
 だが、西洋では、これがない。好意で世話を焼いてくれる人は、タダの物好きか{暇人|ヒマジン}であって、何ら一切、頼みごとなどされる筋合いはないと言うのだ。「ちょっと忙しいんでーぇ!」とか、「ちょっと用事があるんでーぇ!」ってやつ、よくある光景のようだ。
 こんな対応……というより仕打ち、を受けると、日本人なら誰しも、ムッとするはず。「西洋にだって、ギブ・アンド・テイクっていう言葉があるじゃないかァ。どうなんだ、おまえらッ!」と、吐き捨てたくもなる。では、どうすれば、好意を返してもらえるのか。それとも、土台無理な話なのか。
 どうやらその結論は、どうにかすれば可能……ということらしい。その「どうにか」とは、相手の心から債権を勝ち取ること。契約社会。負債は、返済の義務がある。「借りができてしまったなッ!」と、思わせる。そうすれば、義務を返してくれる。残念ながら、好意ではない。
 理屈としては理解できなくはないが、一人の日本人として、納得まではできない。{同胞|はらから}諸君! 如何だろうかァ?
 でも一つだけ、納得できる真実が、浮かび上がってくる。アングラ族にザクセン族……狩猟民族として、海賊として、弱肉強食の世界を生きてきたのだ。〈生存〉のためには、狩猟や荒天航行に耐え得る強靭な肉体が必要であると同様に、強靭な精神も必要であることは、予想に{容易|たやす}い。
 日本人をナイーブ(世間知らずのお人好し)と言って{蔑|さげす}む人格強靭な西洋人の気持ちが、これで少し垣間見れたような気がする。ならば日本人は、〈強靭なお人好し〉を目指すべきなのではなかろうかッ!

 二、忠義
 言わずもがな、赤穂浪士の話題を避けて通ることができるとは思わないが、「やっぱ、難解やねんかーァ!」で、ある。確かに、主君や{御家|おいえ}のために献身的に尽くすという点に{於|お}いては、祖国や家族のために運命に突き動かされる戦士たちと同様の精神性を伺うことができる……と、思う。が、史実を追ってみると、この浪士たちの献身には、一つの{歪|ひずみ}というか、対立の構図が見えてくる。
 中堅家臣の浪士たちは、自分たちの名誉や忠義を証明するために、是が非でも仇討ち決行すべしとした。{所謂|いわゆる}「武士の{一分|いちぶん}を立てねばならぬ!」派である。
 対して主君浅野{内匠頭|たくみのかみ}の側近の家臣たちは、この証明のための一分を不純!として非難した。この対立を突き詰めて考えてみると、従順というイメージはどんどん薄れ、逆に主体性というか、何やら武士の自立心のようなものが浮かび上がってくる。
 確かに、主君や上司に従順であれば、如何にも忠実なように映る。だが、言い換えると、少し失礼な言い方だが、「{唯々諾々|いいだくだく}と付き従って、ただ{媚|こ}びへつらってるだけじゃん!」と、なる。これを、{阿諛追従|あゆついしょう}というそうである。「忠義なんかじゃない!」と、いうことだ。
 では、忠義とは何か。
 それは、主体的で深い見識を有し、自立的で自らの決断に責任を持ち、献身的に{粛々|しゅくしゅく}と行為に及ぶことである。たぶん。
 詰まるところ、主君や上司が理不尽なことを言い出したら、自分の意見をちゃんと言って、その誤った考えや見識を正すことに、大努力するということだ。まァ、この{類|たぐい}の{思想や題材|モチーフ}には事欠かないので、この辺で切り上げておく。

 三、武士道  この{主題|テーマ}だけで、何冊も本が書けてしまうことだろう。
 『{葉隠|はがくれ}』の中に、前述の忠義を解説する一文と、自ら長年の誤解を解く一文がある。その引用に{止|とど}める。
 「さて気にかなはざることは、いつ迄もいつ迄も{訴訟|そしょう}すべし」
 「主君の御心人を直し、御国家を固め申すが大忠節」
 「御家を一人して{荷|に}ない申す志」
 そして、「武士道とは死ぬここと見つけたり」と言えるほどの心構えを{以|もっ}て、「武道に自由を得、一生落度なく家職を{仕課|しおお}すべきなり」と、言っているのである。
 武士道とは、徹底的に生きることと見つけたり!

令和2年12月6日(日) 活きた朝 4:44
{美童名|みわらな} オオカミ
学年 学徒

令和2年12月6日(日)配信
一学45【オオカミの然修録】忠義の自立心は主君をも正し、個人主義は唯義務に専心、武士道は生に徹す『離島疎開』選集

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