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AEFバイオノベル 【1】週刊メールマガジン『エスノキッズ 心の学問 「自伝編」「教学編」』バックナンバー 【2】東亜学纂のe伝記小説。冒険、ミワラ〈美童〉、そして幻想。『亜種記』全12巻、順次発刊。著者、南内彬男(なんだいあきお)。 発行、// AeFbp // 東亜学纂。

一学 15【旅の想い出。紙芝居のオッチャン。玉手箱の謎と、技術の「技」の字の危うさを語る】門人、ワタテツ

エスノキッズ 心の学問「教学編」
令和2年5月10日(日)号。


一つ、学ぶ。

これは、余談で片付ける程度の話である。
命題なき余談、許されたし。

旅の途中、紙芝居のチャリを見かけた。
今どき......。

水飴を買うのも気恥ずかしいので、遠巻きにうろうろしながら、紙芝居のオッチャンの口上に耳を澄ませていた。

結局、浦島太郎の紙芝居を最後まで観て、
「浦島太郎は良いことをしたのに、なぜ白髪の爺さんにさせられてしまうような理不尽な箱を、お礼として持たされてしまったのだろうかッ! 」
というオチの投げ掛けの問いを聴くまで、おれは、挙動不審の余所者(よそもの)を恥ずかしながら露呈してしまった。

面白いオッチャンだなと思って立ち去ろうとしたとき、そのオッチャンの聞き捨てならぬ蛇足の言の葉に、やにわにおれの血が騒ぎだした。

オッチャンが、語った。


「自然って言葉、聞いたことあるよね?
うん。
じゃあ、技術って言葉はァ?
うん。
技能とか、技巧なんていう難しい言葉を知ってるお友だちも、いるかもしれないね。
でね。
誰か、
気づかなかったァ?

今出てきた三つの言葉。
ぜんぶ、『ぎ』から始まってたよね?

漢字で書けるかなッ?
うん。
書けなくても、読むだけなら、今すぐに出来るようになります。
これです。

君たちは、子どもって呼ばれてるよね?
でもね。
その子どもの時分が、人間の一生のなかで一番、脳ミソがよく働くんです。
いっぱい、いろんなことを覚えられるし、いっぱい、素晴らしいアイデアを考えつくことができる。

漢字は、古典で習うんだよね?
古典は、選択科目です。
選択できるのは、子どもは子どもでも、体が大きくなってからのこと。
それじゃあ、もう、遅いんです。
今みたいに、いっぱい、覚えられないんです。

今は、『すっげーぇ!』って思うこと、よくあるよね?
でも、体が大きくなると、大人に近くなるってことなんだけど、そんな『すっげーぇ!』ことに、気付けなくなってくる。

だから、今なんです。
この、『技(ぎ)』。
この一文字で、『わざ』とも読みます。
この漢字の左側を、『手扁(てへん)』と呼んでいます。
みなさんの手。
つまり意思、考えや行動のことです。

問題は、こっち。
右側。
『支(し)』という字です。
元々は、こっち。
これ、『岐(き)』。
岐(わか)れるという字です。

みなさんが持っているこっちの『技(わざ)』という字の右側と、この岐れるという字の右側は、元々同じ、まったく同じ意味なんです。

それは、本流に対して、支流、分裂、衝突、消滅です。
言い換えると、本流に対する偽(いつわ)り、裏切りです。
本流というのは、言うまでもありません。
言わずもがなです。
でも、言います。

それは、自然です。
自然の一部分の、君たちです。
それは、思うこと、考えること、行動することです。

技(わざ)、技術というものは、まことに便利なものです。
ボタンを押したりタッチしたり、やってほしい言の葉をそっと吹きかけたりするだけで、どんな仕組みかは解(わか)らなくても、勝手に望みの仕事をしてくれます。
目を閉じていても、行きたいところに連れて行ってくれたりもします。

でもね。
考えてみてください。
そこには、思いも、考えも、行動もありません。
それは、人の誠を失う、自然から離れてしまうということです。

技術......。
なるほど、便利です。

でもね。
便利だからといって、思いもしない、考えもしない、行動もしない?
そんなことを続けていたら、どうなると思います?

技術は、恐ろしい、エイリアンになるのです」


面白い。
このオッサンも、少年のころは、エスノキッズだったんだろうな。
声はかけなかったけど、大人になったエスノキッズを初めて見たおれは、感動で武者震いを覚えた。

さてと。
おれは、公園を後にすべく、オッチャンに背をむ向けた。

すると、背付きで洋風デザインの大きなベンチシートが、等間隔で並べられる限り置かれてあった。
その一つ、三人の老若男女が、シートいっぱいに並んで座っていた。

激論。
危うい空気。
直ぐに、立ち去ろうとした。
でも、離れても離れても、その激論の声は、おれの耳に届いた。

真ん中に、中年男。
その両翼に、老いた父親と、後妻の連れ子の若い娘。
この老いた父親と、連れ子の若い娘が、恋に落ちたらしい。
結婚するのだと言う。
真ん中、中年男が言った。

「とうさんは、ぼくの息子。ぼくの娘は、ぼくのかあさん! ぼくは、気が狂いそうだよ。もう、死ぬしかないんだ。どうして、わかってくれないんだッ!」

そんな言の葉が、ぼくの背中遥か後方から、追いかけてきた。

面白い。
知識だの理論だのというものに現(うつつ)を抜かして、自然の一部分......思い考え行動することを疎(おろそ)かにすると、往々こういうことになってしまう。

ふと、峠道で見かけた赤トンボのことを思い出した。
赤トンボの求愛と性交は、楽しそうだ。
水溜まりの上で 、何百ッ匹の赤トンボたちが、乱舞する。

自然の一部分の赤トンボ......。
おれを含めて、すべての人間が偽りの道を進むのなら、自然から離れてしまうのなら、おれは、赤トンボになりたい。

令和2年5月10日(日)号

一学 15【旅の想い出。紙芝居のオッチャン。玉手箱の謎と、技術の「技」の字の危うさを語る】門人、ワタテツ

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生まれもった美質と武の心。
エスノキッズと呼ばれた少年少女たち。

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